日本教科教育学会誌
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子どもの自然認識に関する基礎的研究(I) : ローソクを素材とした場合の保育所の子どもについて
角屋 重樹
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1980 年 5 巻 4 号 p. 195-199

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抄録

子どもの自然の事物・現象に対する認識活動は,対象を既得の知識の中に位置づけたり,あるいは,事象を既得の法則によって整理したりする説明の活動として考えられる。子どものこの説明活動の実態を発達的に調べることが本研究の目的である。このため,ローソクの長さの時間的推移を素材とした5枚の画像を子どもに提示し,配列させ,その後に説明させるという調査的面接を行った。対象は,2つの保育所の3才から5才までの子ども60名であった。子どもの説明活動は,5枚画像の配列順序と言語説明とに現れると考え,分析をこれら2つに分けて行った。結果は,次のようにまとめることができた。D:5枚画像の正順配列による説明は,年長において可能であった。2):時系列法則を用いた言語説明は,年長において可能であった。したがって,4才以下と5才以上とにおいて発達的差異があるといえる。

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© 1980 日本教科教育学会
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