日本教科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1784
Print ISSN : 0288-0334
ISSN-L : 0288-0334
リズムの指道過程に関する一考察 I : リズムの概念を中心に
松本 正
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 5 巻 4 号 p. 211-217

詳細
抄録

リズムは歴史的・社会的要因に規定され発展する存在であり,音楽だけの問題でなく,広く文化の問題としてもとらえられる。したがって,その解釈も多様で一定の概念が存在していない。音楽科における研究課題の一つに具体的指導過程の組織化があるが,この課題解決へむけてのキー・ポイントの一つはこの概念をどのようにとらえるかということである。本稿では,今までリズムの概念が明確に教えられていなかったのではないかという問題意識のもとに,知的理解のレベルに焦点を当て,リズム学習のあり方について論究することを目的とする。方法としては,まず一般的に存在するリズム概念を「自然のリズム」と「創造のリズム」の二つに大きく別けて整理し,次に人間の発達の根拠である労働を,リズムが「自然のリズム」から「創造のリズム」へと発展していくうえでの本質的契機ととらえ,労働の身体的側面と集団的側面からその考察をおこなう。

著者関連情報
© 1980 日本教科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top