日本サンゴ礁学会誌
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原著論文
水中近距離リモートセンシング法によるサンゴ健康度季節変動の評価
斉藤 宏石丸 隆灘岡 和夫渡邉 敦
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2013 年 15 巻 1 号 p. 91-105

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抄録

世界的なサンゴの白化現象が起こり,気候変動が進行する現在,サンゴのモニタリングの必要性が急務である。しかし,モニタリングの手法は目視によるものが基本で,小さい変動はわからなかった。褐虫藻のモニタリングによりサンゴ健康状態をモニタリングできる可能性のある,青色光域と近赤外光域の二つの画像から求めた「サンゴ用正規化植生指標」(NDCI; Normalized Difference vegetation of Coral Index)(斉藤ら 2008)を用いて,石垣島白保サンゴ礁の礁池において2009-2010年と2011-2012年の2年間サンゴの季節変動と日周変動を数値化した。その結果,サンゴのNDCI値は水温に対しては負の相関を示しながら季節変動していること。サンゴの種類によりその変動幅に違いがあること。高水温ばかりでなく低水温や光量子,流入泥によるストレス等により,季節変動のみならず日周変動も行っている可能性を明らかにした。また,Porites sp.の強い白化と弱い白化の可視化,Favia sp.の台風の後のNDCI値の偏りも計測できた。

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© 2013 日本サンゴ礁学会
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