抄録
褐色雪腐病抵抗性機構の解明のため, オオムギ葉身を用いる拡大抵抗性の測定法を開発した. 褐色雪腐病菌を含む寒天片を葉身の1カ所に接種し, 低温暗黒条件に1週間置いた後の病斑長を拡大抵抗性の値とした. 病斑長は, 従来の雪腐病人工接種法を用いて推定した50%の茎が枯死する接種期間の値と有意な負の相関があり, 品種間の抵抗性の差についても従来の報告と一致した. この方法により, 1週間の接種期間で褐色雪腐病に対する抵抗性を評価できた. さらに, オオムギだけでなく, コムギ, エンバク, ライムギの褐色雪腐病抵抗性の測定が可能であった.