2004 年 73 巻 1 号 p. 99-102
水稲14品種を供試し, 止葉の光合成速度に及ぼす二酸化硫黄濃度1.0μL L-1, 15分間処理の影響について品種比較を行なった. 各品種の二酸化硫黄による光合成速度の低下程度を光合成阻害率として表すと, 1998年は30.1%から65. 2%, 1999年は42.8%から65.9%の範囲に分散しており品種間差異がみられた. 供試品種の育成年度から, 1909年以前の4品種 (愛国, 亀ノ尾, 京都旭, 竹成) を旧品種群, 1945年以降の10品種 (あきたこまち, 秋晴, アキヒカリ, コシヒカリ, ササニシキ, 初星, 晴々, 日本晴, 農林29号, ヤマヒカリ) を新品種と区別して両者を比較すると, 葉色 (SPAD値) には有意差がみられなかったが, 旧品種群の光合成阻害率は新品種群より有意に高かった.