日本作物学会紀事
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作物生理・細胞工学
緑肥レンゲのすき込み時期ならびにその量が夏ソバの開花・結実に及ぼす影響
杉本 秀樹
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2004 年 73 巻 4 号 p. 424-430

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抄録

ポット栽培した早生品種のキタワセソバを供試し,レンゲのすき込み時期とすき込み量を変えた場合における夏ソバの収量成立過程,とくに開花・結実に及ぼす影響について調査検討した.ソバの播種25,15,5日前に1999年は生重で50 g,100 g,200 g,300 gずつ,2000年は50 g,150 g,300 gずつ容量5 Lのポットにレンゲをすき込んだ.両年とも,すき込み時期が早く,また量も多いほど子実重が大となった.これは,より早くより多くすき込むことによって播種期における土壌の無機態窒素含量が増大した結果,生育が促進されて開花数が増えたこと,葉面積が増大して開花・登熟中期に個体光合成速度が高く維持されたために結実率が低下しなかったことによると考えられた.夏ソバ栽培においてレンゲをすき込む際には,すき込みから播種までの期間ならびにすき込み量を十分に確保することが重要である.

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© 2004 日本作物学会
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