抄録
カドミウム規制の対象とならない非汚染水田で生産される低濃度レベル(約0.06 ppm)の玄米中カドミウムの抑制を検討した. 土壌中のカドミウム濃度がそれぞれ2 ppmおよび5 ppmとなるようにカドミウムを添加した灰色低地土と黒ぼく土をポットに充填し, 窒素源としてメタン発酵消化液および硫安を用い対照として無窒素処理を設け水稲を栽培した. 水稲の生育時期別に見た土壌の還元とカドミウムの吸収および玄米への分配, および玄米中カドミウム量と玄米重との関係を解析した. メタン発酵消化液施用により両土壌の還元が進み, カドミウムの吸収量と玄米への分配率が化学肥料と無窒素処理に比較して低下し, 玄米中のカドミウム量も低下した. 窒素を含むメタン発酵消化液を分施した場合,玄米重が確保され, 玄米中のカドミウム濃度は化学肥料と無窒素に比較して更に低下した. この様に, メタン発酵消化液は, それを施用した場合, 両土壌において低濃度レベルの玄米中のカドミウム濃度を低下させる資材としての可能性があると考えられた.