抄録
根粒超着生ダイズ品種, 作系4号は高い窒素固定能力を有するが, この特性を活かせば水田転換畑のような高地下水位条件になりやすいところでも収量の低下を軽減できるのではないかと考えられる. そこで本研究では作系4号とエンレイを用いて異なる生育段階に高地下水位処理を行い, 作系4号の収量形成, 特に開花・結実に注目して調査を行った. 高地下水位処理によって, 両品種とも子実重と莢数が花芽分化期前, 花芽分化期に処理した場合に低下し, さらに作系4号ではエンレイで高地下水位処理の影響が小さくなる開花始期以降の処理でも子実重と莢数が著しく減少した. また, エンレイでは開花盛期に処理を行っても莢数の低下は小さかったが, 作系4号ではこの時期に処理を行うと高次位花房の莢数減少と子実重の著しい低下を招いた. 以上のことから, 作系4号は開花盛期の高地下水位処理でも子実重の低下が著しかったが, これは主に高次位花房の落花・落莢が生じ, 莢数が減少することが主な原因であると言える. 以上, 本実験では, 作系4号は高地下水位条件での収量低下を軽減することはできなかった.