抄録
2004年の台風15号以降に日本海を北上した2005年台風14号および2006年台風13号が山形県の庄内沖を通過する時の庄内地域の水田における塩分付着量と海岸線からの距離,風向別の海岸線からの距離等の違いによる海塩粒子の飛散状況を調査したところ,南西方向の海岸線からの距離と塩分付着量には強い負の相関関係が認められた.このことから,2004年台風15号,2005年台風14号および2006年台風13号が山形県の庄内沖を通過する時の海塩粒子が最も飛散しやすい時の風向は南西方向であると考えられる.風向が南西方向の場合,塩分付着量の多い北部地域の採取地点では海塩粒子が日本海から砂丘を経て平野部に進入可能であると考えられる.一方,塩分付着量の少ない南部地域の採取地点では,標高100m以上の丘陵・山地があるとともに海岸線からの距離も25km以上と遠くなって,海塩粒子の平野部への進入が抑制されたと考えられる.これらのことから,潮風害に対する被害程度が北部地域と南部地域では異なることが推定される.そこで,2004年台風15号の南西方向の海岸線からの距離と1穂塩分付着量および被害度から山形県庄内地域の潮風害リスクマップを作成した.