日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
飼料用サトウキビKRFo93-1の生育とK/(Ca+Mg)当量比の関係
境垣内 岳雄寺島 義文寺内 方克服部 太一朗石川 葉子松岡 誠杉本 明安藤 象太郎原田 直人
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2012 年 81 巻 1 号 p. 71-76

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抄録
飼料用サトウキビ品種KRFo93-1において,生育とK/(Ca+Mg)当量比で示されるミネラルバランスの関係について検討した.生育の程度は株あたり乾物重で評価した.試験1では新植における生育に伴うK/(Ca+Mg)当量比の変化について,また試験2では生育期間の異なる場合におけるK/(Ca+Mg)当量比について検討した.試験1,2ともに試験開始前の土壌の交換性K,Mg,Caは栽培基準に照らして適正な値であった.新植における地上部のK,Mg濃度は生育が進むにつれて有意に低下し,K/(Ca+Mg)当量比も生育に伴って低下した.また,乾物重とK/(Ca+Mg)当量比の間には有意な負の相関関係が認められた.同様に生育期間の異なる場合においても,乾物重とK/(Ca+Mg)当量比の間には有意な負の相関関係が認められた.K/(Ca+Mg)当量比の基準値は2.2とされるが,試験1,2ともに基準値を超える例は認められなかった.以上のことから,土壌のミネラルバランスが適正な条件においては,K/(Ca+Mg)当量比は基準値の2.2を下回り,また,生育に伴いK/(Ca+Mg)当量比が低下することが明らかとなった.
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© 2012 日本作物学会
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