日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
プール育苗条件での水稲育苗箱全量基肥栽培における育苗箱内施肥量の検討
高橋 行継栗田 春奈柴田 一輝戸塚 悠介矢口 真幸
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2017 年 86 巻 3 号 p. 258-266

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抄録

水稲育苗箱全量基肥技術と水稲疎植栽培は,共に育苗の省力・低コストを狙った栽培技術である.水稲疎植栽培では単位面積あたりに必要な育苗箱数は減るが,その一方で同時に水稲育苗箱全量基肥技術を用いると,育苗箱内の1箱当たりの施肥量を増やす必要性が生じる.しかし,水稲育苗箱全量基肥技術による育苗箱内の施肥量は通常1 kgを超えない範囲とされており,施肥量の上限を見極める必要がある.そこで,水稲育苗箱全量基肥専用肥料「苗箱まかせ」NK301-100を用い,ビニールプール育苗条件下で育苗箱内の肥料投入量を箱当たり600 gから最大2500 gまで変化させて苗の生育やマット強度,移植精度などについて3か年検討した.その結果,育苗期間が概ね3週間程度の条件で,育苗箱内の施肥量は1300 gまでであれば,苗の生育やマット強度,移植精度に実用上の支障がないことが明らかになった.

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© 2017 日本作物学会
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