丹波黒大豆系エダマメ品種「紫ずきん2号」について,高品質で安定的な商品を出荷できるよう,生産者が適期収穫できる目安を明らかにすることを目的に2007~2009年の3カ年,莢厚と黄変莢発生について調査した.開花後日数,平均気温積算値(以下,積算気温)と莢厚との関係は,有意な回帰直線で表すことができた.「紫ずきん2号」の慣行栽培である6月中旬播種栽培において,共分散分析の結果,積算気温に対する莢厚増加の回帰直線に年次間差は認められず,積算気温が約1250℃の時期に,出荷規格の一つである莢厚11 mm以上の莢数が70%以上となった.6月中旬播種栽培では3カ年とも積算気温が約1380℃となった時期に,エダマメの商品性を低下させる黄化莢が出現し始めた.以上の検討から,「紫ずきん2号」における莢の外観からみた収穫適期は,積算気温により推定可能であると判断された.また,主茎上位4節着生莢と株内全2粒莢の莢厚増加の傾向には相違が見られなかったことから,「紫ずきん2号」の栽培期間中における莢肥大の状態は,主茎上位4節に着生する莢の外観によって把握できるものと考えられた.