近年の甘さを求める消費者の嗜好を反映し,高糖度のサツマイモの需要が高まっている.食用サツマイモにおける栽培方法・収穫後の短期貯蔵が品質関連形質に与える影響および高糖度に関わる要因を明らかとするため,高糖度品種と従来品種を用いて,2014年にマルチ被覆の有無および栽培時期の早晩,2017年にマルチ被覆栽培における栽培時期の早晩および短期貯蔵の有無が収量・品質関連形質に及ぼす影響を調査した.2014年は,乾物率,でん粉含有率は早植区で高く,晩植無マルチ区で低かった.でん粉の糊化開始温度は晩植区で低く,蒸しいも糖度の栽培条件による変動は高糖度品種で小さかった. 2017年は,晩植区では塊根収量,乾物率,でん粉含有率,糊化開始温度,スクロース含量,可溶性糖含量,蒸しいも糖度,β–アミラーゼ活性,可溶性タンパク質含量が低かった.また短期貯蔵で蒸しいも糖度,還元糖含量,スクロース含量,可溶性糖含量は増加したがマルトース含量は減少した.近年育成の高糖度品種は,低い糊化開始温度や高いβ–アミラーゼ活性によりマルトース含量が高いことおよびスクロース含量が高く短期貯蔵による増加量が多いことから高糖度を示すことがわかった.晩植では糊化開始温度が低下したが蒸しいも糖度は上昇しなかった.したがって,高糖度サツマイモの安定生産には高糖度品種の利用が有効であり,またマルチ被覆や適期作付けによりでん粉含有率やβ–アミラーゼ活性を高めること,短期貯蔵により糖度を更に高めることが重要であると考えられた.