2020 年 89 巻 3 号 p. 254-255
水田転換畑での冬作コムギ作付けの有無が,後作ダイズの生育に及ぼす影響を解明するため,ダイズの根粒着生に着目して解析した.ダイズの根粒着生量は,冬季休閑区と比較して冬季にコムギを栽培した区で高く,前作コムギの作付けがダイズの根粒着生を促進することが示された.一方,地上部生育には前作の有無による差はほとんど見られなかった.根粒着生量の差異にもかかわらず同等の乾物生産が得られたことから,冬季休閑体系のダイズは地力窒素をより多く収奪している可能性が示唆された.