倒伏軽減技術の一つとして利用されている摘心がダイズの生育や収量,収量構成要素に及ぼす影響の品種間差について明らかにするため,6品種を用いて2か年実験を行った.圃場条件下で栽培し,摘心区はV9-10期あるいはV14期前後にいずれも主茎第7節と第8節の間辺りを切除した.成熟期に主茎および分枝の各節毎に莢数,子実数,子実重を測定した.処理間で倒伏程度に大きな差はみられなかったが,収量はことゆたか以外の品種で摘心区の方が無摘心区よりも少なかった.稔実莢数と子実収量との間には正の相関が認められたが,ことゆたか以外の品種では摘心によって稔実莢数が減少した.タマホマレ,ふくいぶき,ことゆたかでは無摘心区に比べて摘心区の方が分枝に着生する莢数が多い傾向であったが,タマホマレとふくいぶきは主茎の減少分を補償しきれなかった.ことゆたかは主茎低次位節の多くでそこから発生する分枝節数や1節当たり莢数が摘心によって多くなり,個体全体の稔実莢数が無摘心区と同等に保たれた.以上から,摘心に対する反応には品種間差があり,摘心によって収量が減少しないあるいは増加が期待できる品種は,低次位の分枝節数やその1節当たり莢数の増加により個体当たり莢数を確保する能力を持つと考えられた.