2025 年 94 巻 1 号 p. 84-85
積雪前の初冬に種籾を播種する初冬乾田直播栽培 (以下,初冬播き) では苗立ち率の確保が最も重要となる.本研究ではプラウ耕鎮圧体系による初冬播きでの播種同時施肥と採種年の違いが苗立ちに及ぼす影響について2ヵ年試験した.その結果,側条施肥は初冬播きの苗の生育促進に有効である一方で,苗立ち数と苗立ち率に影響を及ぼすことが明らかとなった.また,前年産種子は当年産種子よりも苗立ち率が7.3~8.9ポイント低下することが示唆された.これらの結果から,今後は苗立ち率に影響を及ぼさない側条施肥量や施肥位置,肥効調節型肥料の種類の検討や前年産種子の使用に際しては苗立ち率の低下を見込んだ播種量を明らかにする必要があると考えられた.