本研究ではペースト2段施肥体系下において頑健な疎播苗を疎植した新たな疎播疎植ペースト2段施肥栽培と肥効調節型肥料(以下,緩効性肥料)による慣行栽培の生育,収量性を比較し,水稲品種「天のつぶ」への適応性を明らかにすることを目的とした.幼穂形成期では,慣行区に比べ,側条と深層のペースト施肥割合を均等にした均等型区,側条と深層のペースト施肥割合を1:3とした深層型区で茎数は少なく,葉色は濃い経過を示したが,成熟期の全重には処理区間差は認められなかった.慣行区に比べ,均等型区,深層型区とも穂数は少なかったが,1穂籾数が多く,総籾数と収量に処理間差は認められなかった.玄米外観品質,食味値に処理区間差は認められなかったが,整粒歩合は慣行区で高く,玄米タンパク質含有率は深層型区で高まる傾向がみられた.したがって,福島県の「天のつぶ」の疎播疎植ペースト2段施肥栽培の収量性は緩効性肥料による慣行栽培と同等である一方で,品質の向上が重要であることが示唆された.