日本作物学会紀事
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小麦の分けつ発生に及ぼすオーキシンおよびアンチ・オーキシンの影響
菅 洋山田 登
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1965 年 33 巻 4 号 p. 330-334

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抄録
すでに水稲において分けつ発生がオーキシン・アンチオーキシンと関係があり, NAAにより分けつがおさえられ, TIBAにより増加することを明らかにしたが, 小麦においてもこれらの関係を調査し, とくにTIBAによる分けつ増加の機構をしらべた結果, つぎの点が明らかとなった. 1. 小麦においてもオーキシン(NAA, IAA, p-CPAなど)は分けつ発生をおさえ, アンチオーキシン(TIBA)は分けつ発生を促進する. 2. アンチオーキシンによる小麦の分けつ増加にはつぎの機構が関係していることがわかった. (1) 出葉のテンポすなわち出葉速度が早くなる. (2) 主稈葉と分けつ葉の間の出葉に関する秩序性が乱されるようで, 分けつの葉はそれに対応する主稈葉の出葉より早く出現することがみられた. (3) 処理区では, 同じ環境条件におかれた対照区でみられない高次分けつが発生する.
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