日本作物学会紀事
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水稲の開花生理に関する研究 : (1) 花成刺激の生成と移動について
菅 洋長田 明夫
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1967 年 36 巻 1 号 p. 32-36

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抄録
感光性品種「瑞豊」を用いて次の実験をおこなった. 1. 開花過程を量的に表現するために, フロラル・ステージ(Floral Stage)を決定し, 今後の研究はすべてこれにしたがうことにした. 2. 8時間明期+16時間暗期のサイクルで短日処理する場合, 6回処理すれば花芽分化がおこるが, 正常に花芽が発育するためには10回の処理が必要である. 3. 誘導葉をいろいろな時期に切除する実験により, 水稲においても花成刺激が葉で生成し生長点に移動して花芽分化, 発育をひきおこすことがたしかめられた. 4. 異なった回数 (15, 10, 6回) の誘導処埋をおこなった場合でも, 生成した花成刺激が全部移動し終るのに要する日数は一定であった. 5. 花成刺激の移動は温度の影響をうけ低温では移動がおくれた. 6. 連続短日処理をおこなった場合の花成刺激の生成, 移動および花芽分化発育曲線が明らかになった.
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