抄録
テンサイ作付けによる後作ダイズの生育抑制を確かめ, その要因を解析するための実験を行った。第1年は2作物 (テンサイ, バレイショ) の作付け, テンサイ茎葉施用の有無および堆肥施用の有無の3要因, 2水準処理 (2反復) を行い, 第2年にダイズ, 第3年にトウモロコシを均一に栽培した。ダイズの生育は処理の影響がみられ, 茎長や乾物重が前作テンサイ区で劣り, 前作バレイショ区, 茎葉施用区, 堆肥施用区でまさった。総重, 子実重, 莢数も同じ傾向にあったが, 100粒重, 1莢粒数には影響がなかった。総重に対する子実重の割合は前作テンサイ区で高かった。前作処理と他の2処理との間には生育・収量に関して統計的交互作用は全く認められなかった。第3年のトウモロコシの生育・収量には第1年の処理効果は認められなかった。テンサイ作付けによる後作ダイズの生育抑制の要因としてテンサイの葉または根が分泌するアレロパシー物質の可能性が考えられた。