抄録
コーヒー葉カルスの生長・発育に伴う表面の微細構造変化を, 走査電子顕微鏡を用いて研究した。培養2週間後, カルスは主に葉の切断面から発生した。約45日後には, 形成されたカルスは多くの糸状構造物の集合のような柔らかな組織となった。走査電子顕微鏡観察により, カルスは維管束近くの葉肉細胞から生じることを認めた。カルスの生長に伴い表面をおおっている膜状構造が部分的に破れ, 表層細胞がその破れた膜状構造の下から現われた。更に興味ある形態として, 球形細胞・伸長細胞・長く伸びて曲った細胞などの存在を認めた。