日本作物学会紀事
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水稲幼植物におけるα-アミラーゼ活性と澱粉含量の日変化
田中 尚道西川 欣一秋田 謙司
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1990 年 59 巻 3 号 p. 494-497

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抄録

水稲品種IR24号 (インド型), 水原258号 (日印交雑種) 及び日本晴 (日本型) を用いて, 播種後20日目 (葉齢約4.0) の葉鞘におけるα-アミラーゼ活性と澱粉含量の日変化について調査し, 以下のような結果を得た。1. α-アミラーゼ活性の日変化はいずれの品種も午前6時から午後6時 (昼間) に比べて午後6時から午前6時 (夜間) の方が高かった。特にα-アミラーゼ活性の高い時刻は3品種とも, 午前4時から午前6時の間で, その後いずれの品種も午前7時から午前9時にかけて著しく低下する傾向がみられた。2. 品種間でみると, α-アミラーゼ活性はIR24号が最も高く推移し, 水原258号でもほぼ同様の活性を示したが, 日本晴はIR 24号の約30%の低い活性で推移した。3. 澱粉含量の日変化は, いずれの品種もα-アミラーゼ活性とは逆に午前6時から午後6時 (昼間) の方が午後6時から午前6時 (夜間) より含量は高かった。4. 品種間でみると, 澱粉含量の最も多かったのは水原258号で, IR24号もほぼ同様の値で推移した。一方, 日本晴は両品種に比べて澱粉含量は低く推移した。これは, 品種特性 (耐肥性) の違いによるものではないかと思われた。

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