日本作物学会紀事
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トウモロコシの生育初期における維持呼吸
大田 忠親若林 克拓今井 勝
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1992 年 61 巻 1 号 p. 131-135

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抄録
トウモロコシ幼植物における暗呼吸の経時変化及び維持呼吸の割合を飢餓法(Starvation method)により検討した. 14, 21, 28日齢の植物の各々第4, 5, 6葉の暗黒下での伸長生長は, 96-120時間で停止した. 地上部の呼吸の経時変化は, 10時間までの急激な低下, 10-84時間の漸減, 84時間以降の定常状態(1.06-0.84mg g-1 h-1, 25℃)の三相に区分された. そこで, 葉の伸長停止を考慮し, 96-120時間の値をもって維持呼吸と見做した. 暗期初期の呼吸に占める維持呼吸の割合は, 14日齢の植物で10%, 28日齢の植物で18%と, 齢の進行に伴い上昇した. しかし, これらの値は他で報じられた成熟植物に比べると低い割合であった. また, 光合成により取り込んだ14CO2の暗黒下での放出の経時変化は, 上記の三相の存在を支持するものであった.
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