抄録
穂内における1次枝梗, 2次枝梗着生位置別からみた米粒のタンパク質, アミロース含有率および1次, 2次枝梗粒別の食味について検討した. タンパク質含有率は1次枝梗, 2次枝梗とも基部から頂部に向かうにしたがい低くなった. また, 1次枝梗着生粒は2次枝梗着生粒に比べて, いずれの着生位置においても低い値を示した. これとは逆にアミロース含有率は1次枝梗, 2次枝梗とも基部から頂部に向かうにしたがい高くなった. また1次枝梗着生粒は2次枝梗着生粒に比べて, いずれの着生位置においても高い値を示した. 米粒のタンパク質含有率およびアミロース含有率は穂内の着生位置によって大きく異なり, それぞれ最大で1.2%と3.3%の変異幅を示した. 米粒のタンパク質, アミロース含有率と千粒重, 開花時期との関係を検討すると, 千粒重が重く, 開花の早い粒ほどタンパク質含有率は低く, アミロース含有率は高かった. 1次枝梗着生粒の食味は, 2次枝梗着生粒の食味に比べて優った. 1穂内における枝梗着生位置別からみた米粒のタンパク質, アミロース含有率および食味の違いは, 穂上位置と密接な関係のある穎花の開花時期の早晩に起因する米粒の登熟程度の差異によるものと考えられた. このことから, 1次枝梗籾着生優勢型, または2次枝梗籾着生上位優勢型を示す遺伝資源からの栽培環境条件に左右されにくい良食味品種の育成の可能性が示唆された.