無限伸育型早生ダイズのツルコガネと黄宝珠(生態型Ib)および比較品種として関東地方の奨励品種, 有限伸育型のタチナガハ(IIc)を千葉大学園芸学部実験圃場で密植栽培(20cm, 30cmの正方形植え: それぞれ20cm区, 30cm区)し, その生長パターン, 葉群構造および受光態勢から密植適応性について検討した. 葉面積指数の展開速度はツルコガネ, 黄宝珠が若干大きかったが, 品種間に有意な差はなかった. 茎葉乾物重はタチナガハが20cm区で9月中旬まで増加したが, ツルコガネ, 黄宝珠は8月下旬には増加を停止した. 草高はタチナガハが30cm区で80~90cm, 20cm区では約100cmであったのに対し, ツルコガネ, 黄宝珠は矮化し, 両区で約70cmであった. タチナガハは上層になるにしたがい小葉面積が大きくなる傾向があったが, ツルコガネ, 黄宝珠では逆に最上層が小さくなる傾向があった. また, 密植になるほどツルコガネ, 黄宝珠は有意に小さくなったが, タチナガハでは変化がなかった. 単位葉面積当たりの受光量は30cm区では3品種に差異はなかったものの, 20cm区ではツルコガネ, 黄宝珠が有意に大きくなり, 密植になるほどタチナガハは小さくなったが, 黄宝珠では逆に大きくなった. 以上のことから無限伸育型早生ダイズの受光態勢は密植条件下で良好となり, これらの無限伸育性を用いて受光態勢を改善できる可能性があるものと考えられた.