日本作物学会紀事
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搗精歩合と炊飯特性および糊化特性との関係
平 俊雄
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1998 年 67 巻 3 号 p. 410-412

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抄録

米の食味評価の基準的な方法として食味官能検査があるが, パネルとして多くの人数を必要とし, 多数の試料の検査は難しく, 簡便で迅速に分析できる米の食味評価法が望まれている.水温70℃での炊飯特性および糊化特性における水温85℃での粘度は米の食味と関係があるとされ, これらの特性はこれまでより迅速な分析が可能であるが, 搗精歩合がこれらの特性に与える影響き明かではない.このため, イネ品種ひとめぼれを用い, 89%から93%までの搗精歩合において, 搗精歩合が水温70℃での炊飯特性および水温85℃での粘度の分析精度に与える影響を検討した.水温70℃での炊飯特性においては各搗精歩合の試料間に有意差がみられたが, 搗精歩合90%と91%との試料間差は小さく, 搗精歩合90%から91%の試料を用いることで精度よく分析できると考えられた.一方, 水温80℃での粘度においては搗精歩合89%から93%の試料間差は小さく, 分析精度へ与える搗精歩合の影響を考慮する必要はないと考えられた.

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