抄録
液体窒素中に保存したイネ(Oryza sativa L. cv. Nipponbare)培養細胞を再培養する際の培地に含まれるアミノ酸の種類と,細胞の生存活性の関係を調べた.それによると,グルタミンやアスパラギン酸を添加した培地では,従来の培地と比べ高い生存活性が得られたのに対し,グリシンは細胞の生存活性を低下させるはたらきがあることがわかった.これらの結果から,融解後の培養に用いる培地に適当なアミノ添加することにより,凍結保存したイネ細胞の生存率を高めることができることが明らかになった.