日本作物学会紀事
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数種夏作マメ科作物の胚軸における二次通気組織の形成
望月 俊宏高橋 卯雪島村 聡福山 正隆
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2000 年 69 巻 1 号 p. 69-73

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抄録

ダイズを含む6種の夏作マメ科作物およびツルマメの幼植物を, 畑および過湿条件で14日間栽培し, 土壌表面直下の胚軸における二次通気組織の形成量を調査した.その結果, 二次通気組織は, 畑区ではいずれの作物・種の胚軸にもほとんど見られなかったが, 過湿区には作物・種間差が認められ, 胚軸横断面あたりの二次通気組織の面積は, ダイズ'アソアオガリ'の9.77mm2以下, ダイズ'アキセンゴク'7.80mm2, ツルマメ4.37mm2, ササゲ2.63mm2, リョクトウ'ブンドウマメ'1.97mm2, リョクトウ'Acc.7703'1.52mm2の順で, 他の3作物では1mm2以下であった.中心柱に対する二次通気組織の面積の比も, ダイズはツルマメについで大きく, ダイズにおける二次通気組織の形成能はツルマメと同程度であることが明らかであった.また, 地上部乾物重比(畑区に対する過湿区の乾物重の比率)と過湿区における二次通気組織の面積との間には, 1%水準で有意な正の相関関係(r=0.738)が認められることから, 二次通気組織の形成能は, マメ科作物における耐湿性の強弱と関係のあることが示唆された.

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