日本作物学会紀事
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格子交差法によるサツマイモ個葉の葉脈長の推定
吉村 泰幸窪田 文武
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2000 年 69 巻 1 号 p. 92-94

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抄録

個葉における水や光合成生産物の輸送は主に葉脈を通して行われており, 葉脈網の形態的特性が物質輸送機能との関連で光合成や蒸散作用の制御調節に関わることは十分予想される.そこで本研究では, サツマイモ2品種を用いて, 個葉の葉脈長を推定するための方法としてNewmanの理論を基礎とする格子交差法について検討した.ここで用いたサツマイモ2品種における個葉の平均葉面積は37.3cm2であり, これらを対象にキルビメータを用いて直接測定した1個葉の平均総葉脈長は, 404.7cmであった.格子交差法による測定に際しては, サツマイモ個葉の裏面を複写機によって200%から400%に拡大し, 拡大印刷用紙に格子を印刷したトレーシングペーパーを重ねて交点数を計測した.各個葉の実測葉脈長に対して, 格子交差法によって推測した葉脈長は誤差10%以内にあり, 格子交差法は葉脈長推定のための測定法として有効であると判断された.

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