2016 年 40 巻 4 号 p. 155-166
120サンプルの抽象的3色配色を対象として,24名の女子大学生に好ましさの評価と予め用意した選択肢から評価の理由と認識されるものを回答させる実験を実施した.そのデータを用いて, (1) どんな評価の理由が挙がったかの情報から評価をどの程度の精度で予測が可能か,(2) 各々の理由が挙がる条件を構成色の3属性から予測する式を作成した場合,どの程度の精度で予測が可能かを検討した.
(1) については,好ましさの評定平均値を相関係数R=0.97 と非常に高い精度で推測できるとの結果が得られたことから,評価の理由を用いて配色の好ましさ評価予測を行うという手法に可能性があることが明らかとなった. (2) については,24 名の実験参加者中6名以上が評価の理由として挙げた条件を構成色の3属性で表現した条件式を作成して予測したところ,好ましさの評定平均値との相関係数R=0.72 となった.