日本色彩学会誌
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カラーメタリック塗装の写像性評価法
渡辺 修平曽根 拓郎
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2017 年 41 巻 3+ 号 p. 1-4

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抄録

 製品の質感の良否を決める非常に重要な要素の1つに,物体表面に写り込ん だ像の綺麗さを表す写像性がある.写 像性評価はJIS K 7374 や,レーザスキャン方式を用いたものが知られているが,接触式のため表面を傷つける恐れが ある.また,目視検査では表面の色によって写像性評価が異なるが,表面反射特性のみを計測しているため同じ評価 値になってしまうといった問題があった.以前筆者らは,ソリッドブラック塗装における非接触での写像性評価法を 開発したが,有彩色やメタリック塗装への適用は考慮しておらず残課題としていた.上記課題を解決するため,今回 カラーメタリック塗装を対象とした非接触かつ目視相関の高い評価法開発を行った.評価法開発では,ハイパースペ クトルカメラとエッジパターンを用いたシステムを構築した.評価式は,写り込んだ像とサンプル表面の色差が大き いほど人は写像性が悪く感じるという考えの元,サンプル表面の色とブラックポイントからの色差ΔE で補正するモ デルを提案し,官能評価結果との寄与率が約0.9 と非常に高い相関を得ることができた.

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