日本色彩学会誌
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かりゆしウエア,浴衣,アロハシャツの色彩およびテクスチャ特徴 量による判別
長浜 小春藤木 節子森 俊夫淺海 真弓
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2017 年 41 巻 3+ 号 p. 171-172

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抄録
 日本の浴衣(Y),ハワイのアロハシャツ(A),アロハシャツをモチーフとした沖縄のかりゆしウェア(K)について,これらの色柄の間に色彩的および形態的にどのような類似や相違がみられるかについて明確にすると共にこれらの色柄の色彩情報量および形態情報量による判別分析を行った.試料として色柄資料集から,120種類のK,48種類のYおよび60種類のAを任意に選び,各色柄について画像解析によって色彩情報量およびや形態情報量を算出した.平均明度と平均彩度の関係からは色彩特徴としてKについては,明度はYと類似し,彩度はAと類似していることが分かった.また,Kは明清色や暗清色に多く,Aは濁色(中間色)に分布している. 形態情報量の結果から,YはKやAに比べて柄がはっきりとして,局所的変化が小さいと言える.Kの柄は,局所的変化が大きくなるにつれて柄の線状性が小さくなる特徴がみられる.判別分析の結果から,色彩情報量のみでは,K, A, Yの色柄を判別することは十分であるとは言えないが,色彩情報量と形態情報量を合わせると,高い確率でK, A, Yの色柄を判別することは可能であることが見いだされた.
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