日本色彩学会誌
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機械学習を用いたカメラの画像解析による感情のパターン分類
遠藤 慎髙橋 武佐鳥 新
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2017 年 41 巻 3+ 号 p. 95-98

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抄録
 映像のRGB強度から生体情報を読み取ることにより,非接触で人間の心拍数の測定および感情の識別を試みる本研究は,精神作用(感情)が生体に及ぼす効果, 相関関係を明らかにし, 感情認識機能を確立するという目的に基づく. この機能は,監視カメラや車などに感情認識機能を追加することで潜在的な事故や犯罪を抑止,または防止することも可能である.加えて, 精神医療分野や,生理心理学などの分野で応用されていくことが考えられる.本講演では, 蛍光灯下で被験者をビデオカメラで撮影し,顔の動画を10FPSごとに切り出し, そのRGB画像に写るヘモグロビンやメラニンなどの人体の色素成分から,数値解析ソフトウェアMATLABを用いてプログラムを組み,人体の特徴スペクトルの抽出をおこなった.さらに,得られた特徴スペクトルを用いて心拍数の波形を求め,心拍数の時間変化を数値化(特徴量の算出)をおこなった.また,特徴量を使用し,数値解析ソフトRを用いてクラスター分析をすることにより感情の分類をおこなった.結果,情動喚起(joy, fear)においておよそ70から80%の精度で識別ができた.
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