日本色彩学会誌
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自動車塗色における色差の感じ方に対する マルチアングル連続変化曲線とL*u*v*表色系の適用
若井 宏平中山 泰神澤 啓彰
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2017 年 41 巻 6+ 号 p. 19-22

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抄録

自動車外装色,メタリックやパールと称されているものは光輝材成分の影響により「見る方向で色が変わる」とされ,色差管理は難しいとされてきた.定量的な色差管理のためにはマルチアングル測色計が使われるが,その中でも最も多くの19点の色情報を取得できるX-rite MA98を活用し,目視による色差違和感量の判定を総合的に計測値から算出することができた.測定点間を補完し最も目立つ色の領域を判定に取り入れるために三刺激値XYZを受光角に対する指数関数としてモデル化し2光源に対して4方向の曲線を導き,評価者の複数方向からの斜め目視評価(いわゆるすかし見)に対応できるようにした.実際のサンプルのうち斜め目視評価で特に差が大きく見えるものについては,さらにL*a*b*表色系だけでなくL*u*v*表色系を使うことで光輝材による赤味の減少が大きく目視のイメージに近い大きさで検知できた.過去発表した⊿L*の影響を小さくさせる計算方法に加え,2つの表色系によるハイブリッドな判定式を作成することで,見逃しの防止だけでなく目視評価結果との一致を果たすことができた.

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© 2017 一般社団法人 日本色彩学会
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