日本色彩学会誌
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日本色彩学会第50回全国大会[東京]ʼ19 発表論文集
肌質感再現のためのマルチスケール光学シミュレーションの拡張
山口 義隆吉田 那緒子谷 武晴
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キーワード: FDTD, 光線追跡, 画像, , 透明感.
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2019 年 43 巻 3+ 号 p. 15-

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抄録

人の肌質感は,肌の表面で反射する光と肌の内部に入り内部を伝搬した上で出てくる光によって知覚されている.本研究では以前,可視化シミュレーション技術として,肌の表面反射光および内部反射光を扱い,さらにnm~cmオーダーの構造を一貫して計算するマルチスケール光学シミュレーション技術を構築した.しかし前述のシミュレーションでは,単色の均一な光学特性の変化で知覚できる肌質感(光沢感など)は再現できたが,シミや色むらなどを含む複雑な肌質感(透明感など)は再現できなかった.本稿では,ミクロ凹凸の変化を可視化できるマルチスケール光学シミュレーション技術を拡張し,肌・シミ・色むらなどの色情報をRGBの各チャンネルで多値化したマップを作成し,そこに多値の光学特性(BSSRDF)を付与して計算できるようマルチスケール光学シミュレーションを拡張した.本手法により,肌のシミや色むらの明暗分布が可視化できるようになった.本シミュレーションを透明感の見えの可視化へ適用した例を報告する.

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© 2019 一般社団法人 日本色彩学会
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