日本色彩学会誌
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日本色彩学会第50回全国大会[東京]ʼ19 発表論文集
二色の配色による色刺激の味覚的な印象
櫻井 将人
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2019 年 43 巻 3+ 号 p. 67-

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抄録

色の味覚的な印象は報告されており,食品パッケージなどのデザインへの活用が考えられる.先行研究において,単色による味覚的な印象が調査され,色の三属性において,甘みは赤系の色相,酸味は黄色系の色相で彩度の上昇により感じられ,苦味は明度の低下に伴い感じられることを報告している(M. Sakurai et al., AIC2015, 348-353, 2015).しかし,食品パッケージに使用されている色は単色であることが少ないため,複数色が配色された場合も調査する必要があると考えられる.そこで,本研究では,配色による色刺激の味覚的な印象を明らかにし,パッケージデザインを支援するツールに適用することを目的として,2色で配色された色刺激に対して,基本5味(甘味,酸味,苦味,塩味,旨味)の印象を主観評価により調査した.結果として,単色において,甘味,酸味,塩味の印象が強かった2色で配色することで,それらの印象が強調することが分かった.また,単色において,味覚的な印象の異なる2色(例えば,甘味の印象の強い色と酸味の印象の強い色)で配色した色刺激は,各々の味覚的な印象が抑制される傾向の刺激もあった.これらの結果をもとに,食品パッケージデザイン支援ツールの検討を行なった.

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© 2019 一般社団法人 日本色彩学会
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