2020 年 44 巻 3+ 号 p. 247-
本研究では上衣と下衣の対比印象の強さを「コントラスト・インパクト」と呼び,同じ対比印象の強さとなる無彩色刺激の輝度比によりその定量化を行う.さらに感性評価値とコントラスト・インパクトや測色値との関係を明らかにすることを目的とする.
本研究では,呈示刺激としてシンプルなブラウスの上衣とスカートの下衣をミニボディに着せたものを用いた.花柄の布地は黒,赤,黄,緑,青系の大,中,小サイズの花柄の15種類,無地は黒,白,2種類のグレイの4種類を使用した.テスト刺激としては,上衣は花柄の15種類,下衣は無地の4種類を組み合わせた60種類を,対比印象の強さの尺度化用の対比刺激としては,上下とも無地の4種類を同色となるものを除いて組み合わせた12種類を用いた.テスト刺激のコントラスト・インパクトを求めるための対比印象比較実験及びテスト刺激に対して6種の評価語を用いた感性評価実験を工学系の女子学生5名で行った.
各感性評価語に対し,上衣と下衣の平均輝度,上衣のCab*,コントラスト・インパクトの3つを説明変数とし重回帰分析を行ったところ,「かわいい」を除く5つの評価語で重相関係数が0.8以上と良好に説明できる結果となった.