抄録
糖尿病患者における自動車運転中の低血糖発作について、実態調査を行った。245名を対象としてアンケートを実施し、現状把握を行い、治療法別や自動車運転状況別での比較検討を行った。今後の課題を検討した。インスリン治療患者(1型糖尿病、2型糖尿病ともに)が、内服薬患者に比して、運転中の低血糖や低血糖による交通事故が多かった。しかし、主治医が患者の自動車運転状況を把握している率は低かった。また、毎日運転する人の方が、運転中の低血糖発作が高頻度であった。さらに、仕事でなく私用で車を運転する人の方が、運転中の低血糖の自覚や低血糖発作による交通事故が多かった。以上より、糖尿病患者に求められる自動車運転中の低血糖発作に対する注意喚起や予防策への啓発を広める必要ある。また、主治医の積極的な介入余地がまだ有ることも示唆され、更なる徹底した指導が望まれ、交通事故低減へ繋がることを啓発・教育を普及させる必要がある。