2014 年 100 巻 p. 53-64
情報リテラシーを習得することは,「学び方」を身に付けることと同義であるという観点から,今後の情報リテラシー教育について,先行論文の調査分析と関係者とのディスカッションから得られた知見を基に論考する。これまでの実践を振りかえると,情報リテラシー教育が大学図書館の業務として定着したことは大きな成果であった。しかし,文献検索を中心とした講習会にとどまらず,大学の教育改革に合わせた学習支援としての情報リテラシー教育への転換が必要である。学習理論の理解をはじめ,担当者が意識し,実践するべき9項目について述べる。