2020 年 76 巻 2 号 p. I_787-I_792
本研究では水田の畑作物利用による流出特性の変化が流域スケールの氾濫現象に与える影響を評価するモデルを開発した.モデル化にあたって,転作田の流出機構および特性を明らかにするため,現地調査を実施した.その結果,転作田からの流出は降雨波形に鋭敏に応答し,水稲田と比較してピーク流出は大きく,ピーク到達後は迅速に流出が減少する特徴が確認された.流出量が増大した要因は畝間への湛水と考え,圃場面の畝間形状を余弦関数で表現し湛水深の変化を考慮できるモデルを構築した結果,観測結果を良好に再現した.本モデルを既存の内水氾濫解析モデルに実装し,事例流域に適用した結果,水稲田から転作田への転換によって湛水被害面積が大きく増加することが示唆された.