日本歯科医学教育学会雑誌
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調査報告
大阪歯科大学附属病院単独型歯科医師臨床研修における臨床研修必修化後の研修状況
紺井 拡隆北野 忠則菊池 優子大井 治正小川 文也前田 照太
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2016 年 32 巻 1 号 p. 37-46

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抄録

抄録 平成18年度から24年度の大阪歯科大学附属病院単独型臨床研修での研修歯科医の診療実績を調査した.

 患者ごとに診療内容を処置行為別に診療内容記載用紙に記入し, その用紙を基にファイルメーカー社FileMaker Pro® ver. 13を用いて構築したデータベースに入力, 集計した.

 診療形態は総合診療方式を採用し, 2名一組で診療した. 研修歯科医数は, 最多年度で39名, 最少年度で28名であった.

 担当患者数は, 1年間約1,000人, 診療回数は約7,300回で, 診療日数は年間約220日, 1日30回以上の診療があり, 研修歯科医は1日に2回以上診療したことになった. 診療処置別では, 歯周基本検査回数は年間約870回でその後除石, SRPへと進むため, 担当患者のほとんどに歯周基本治療を実施していた. 次に高頻度のものではコンポジットレジン修復が年間約400歯で, メタルインレー修復および鋳造冠を合わせたよりも多くなった. 歯内治療では, 抜髄と感染根管治療を合わせて年間約170歯を治療していた. 口腔外科に関する治療では, ほとんどが抜歯であり, 年間約325歯のうち20%が前歯であった. 抜歯以外の口腔外科症例では, 囊胞摘出, 歯根端切除などの小手術の症例が年間数例であった. 欠損補綴に関しては, 年間総義歯約25床, 局部床義歯約120床, ブリッジ約25装置であった.

 ブリッジや抜歯以外の外科処置などの少数症例については, 今後, なんらかの研修補完を検討する必要を認めた.

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