日本歯科医学教育学会雑誌
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Print ISSN : 0914-5133
研究報告
倫理的事例を用いた歯科医療倫理教育におけるアンケート調査
有地 淑子木瀬 祥貴鈴木 一吉友田 篤臣千田 彰中田 和彦有地 榮一郎
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2017 年 33 巻 2 号 p. 86-92

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抄録

抄録 事例を用いた医療倫理教育のアンケート結果より, 医療倫理の教育効果を検討することを目的とした. 対象は1年次歯学部学生131名. 事例をJonsenらの4分割表を用いて分析し, 事例の検討および対応を議論した. 事例を用いた医療倫理の授業の始業時に未来像, 知識の程度, 医療倫理に関して, 終業時には参加の程度, モチベーション, 習得度の評価, 授業の工夫, 医療倫理に関してアンケート調査を行った.

 始業時のアンケートでは, 約半数が未来像が想像できるとし, 8%のみが知識があると回答した. 「医療倫理で想像すること」 の質問に対して, 患者の意思を尊重すること, 医療人としてのモラル, 人間の命に対する定義という回答が得られた. 終業時のアンケートでは, グループ活動には約80%が参加できたと回答したが, グループ活動で目立った活躍をしたのは限られた学生という回答であった. 終業時には, 知識の程度を除いたその他の質問に対して約半数 (54~63%) が肯定的な回答をした. グループ活動によく参加できた学生ほど授業への興味や事例への興味に高いスコアを与えた. 始業時と比較して, 終業時のモチベーションと知識の回答スコアは上昇し, 医療倫理を深く考える契機となったことが示唆された. 早期の倫理教育が求められているが事例選択が難しく工夫が必要である.

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