日本歯科医学教育学会雑誌
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Print ISSN : 0914-5133
研究報告
臨床実習における歯科衛生士学生の不安に関する研究―性格特性および学業成績との関係―
隅田 好美頭山 高子前岨 亜優子梶 貢三子大西 愛田中 昭男福島 正義
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2017 年 33 巻 3 号 p. 158-166

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抄録

抄録 本研究の目的は, 歯科衛生士臨床実習における学生の不安の変化を明らかにし, 性格特性および学業成績との関連を明らかにすることである. 研究対象は歯科衛生士学生A期生49名, B期生45名 (合計94名) である. 新版STAI状態-特性不安検査 (State-Trait Anxiety Inventory-JYZ, STAI) を用いて, 不安の変化を経時的に測定した. また, 不安の変化と学生の性格特性 (Maudsley Personality Inventory) および学業成績との関係を分析した. 調査時期は2年次の臨床見学実習開始前, 3年次の臨床実習開始前, 実習中期および実習終了時である.

 STAIの特性不安および状態不安の平均値は, 臨床見学実習開始前よりも臨床実習開始前の方が高かった. また, 「神経症傾向がある」 学生の高不安の割合は, 「神経症傾向がない」 学生よりも高く, 臨床見学実習前, 臨床実習前, 臨床実習中期も不安が強かった. さらに, 学業成績上位者は臨床見学実習開始前と臨床実習開始前で高不安の割合が高かった. 臨床実習の各時期において, 学生個々の特性に配慮した心理支援が必要である.

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© 2017 日本歯科医学教育学会
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