抄録 九州歯科大学口腔機能学講座生体材料学分野では, 歯学科6年次生の要望に応え, 国家試験対策を主目的とした補習講義 「生体材料学演習」 (以下, 補講) を年間8回実施している. 本研究では補講の改善を目指し, 平成29年度の補講後の受講学生に対するアンケート調査から, 学生の受講態度と補講に求める講義内容を調べた.
全8回を総括すると対象学生の97.8%が1回以上受講した. 全補講を受講した学生は22.0%, 平均受講率は67.2% (標準偏差 : 8.6) であった. 演習問題の事前解答率は回答者の65.3% (15.8) であり, 補講回により大きく変動した. 補講の気づきとして, 回答者の95.9% (4.1) から 「見落としていた点に気づいた」 「間違いやすい箇所がわかった」 「解答の仕方がわかった」 などが挙げられた. 受講の理由・目的としては, 回答者の半数以上から 「集中的に学修する時間を作るため」 「自己学修ではまとめにくいため」 などが挙げられた. 以上のことから, 補講に対する学生の捉え方を考察すると, 個々の国家試験の準備状況に応じた自己対処を目的に, 不安を振り払うために受講していることが認識された. 今後の補講において, 学生の心理・受講態度を踏まえたうえでの有効な学修支援となる学習目標の設定と学習プログラムの組み立ての必要性が示唆された.