日本歯科医学教育学会雑誌
Online ISSN : 2433-1651
Print ISSN : 0914-5133
原著
基礎と臨床の融合科目「早期臨床実習Ⅱ」の教育効果に関する検証
長谷川 真奈中村 太佐藤 拓実都野 さやか野村 みずき長澤 伶藤井 規孝
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2023 年 39 巻 1 号 p. 17-24

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抄録

抄録 新潟大学歯学部歯学科では,3年次学生を対象に基礎歯学と臨床歯学の結びつきを発見し,歯科医学に対する理解を深めることを目的とした早期臨床実習Ⅱを実施している.本実習は基礎系学科目教員による臨床に関連するトピックを取り上げた講義,医歯学総合病院歯科の外来見学,基礎と臨床歯学の関連性をテーマとするグループディスカッションで構成される.今回本実習の効果を確認するため,履修後学生にアンケート調査を行った.対象は2021年度,2022年度の歯学部歯学科3年次学生計87名とし,回答が得られた47名分について分析を行った.アンケートの結果,本実習が有意義であったかという質問に対しては両年度とも多くの学生が有意義と回答しており,各グループの人数,見学する診療科数はほぼすべての学生が適切と回答していた.また,医療従事者に必須となる感染対策の理解度に対する回答には,すべての学生が肯定的であった.興味をもったという回答が多かったのは,比較的特殊性が高く,体験実習などを組み込んでいる診療科だった.興味をもった基礎歯学は,臨床に直結してイメージをしやすい分野が多く選択される傾向にあった.アンケートの結果,本実習は学生が基礎と臨床歯学の関係性を理解するために有用であることが示された.本実習をより効果的なものにするため,学生のモチベーションを上げる工夫や,基礎系,臨床系担当教員双方との連携により,実習をさらに充実させる努力が必要であると考えられる.

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