口腔衛生学会雑誌
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報告
潜在歯科衛生士の再就職に影響する因子の探索 (岩手県歯科衛生士実態調査より)
岡田 彩子野村 義明向井田 克三善 潤赤坂 栄里子大黒 英貴前川 秀憲佐藤 保花田 信弘
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2019 年 69 巻 2 号 p. 86-92

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抄録

 岩手県歯科医師会では,平成26年に歯科衛生士の安定した就労および再就職を支援するための環境づくりの向上を目指すことを目的として,岩手県歯科衛生士実態調査を行った.本研究ではこの調査結果から,歯科衛生士の再就職に関する項目を抽出し,再就職の希望に影響を及ぼす因子を検討した.離職中の歯科衛生士(潜在歯科衛生士)82名のデータを使用し,「再就職の希望」に対して,「退職した理由」,「再就職の希望」と「再就職時の障害」,「再就職の希望」と「再就職で重視すること」,「再就職の希望」と「やりがい」の4点について作成したクロス集計表をわかりやすく可視化するために,コレスポンデンス分析を行った.さらに「再就職の希望」に影響の強い因子を階層別に把握するために決定木分析を行った.コレスポンデンス分析の結果から得た「再就職の希望」と「退職した理由」および「再就職の希望」と「再就職時の障害」の布置図からは,「すぐにでも再就職したい」が「出産・育児」の最も近いところに位置していた.決定木分析結果についても,「すぐにでも再就職したい」と回答した4名中3名が「再就職の障害」として「出産・育児」を挙げていた.これらの結果から「出産・育児」の環境を整えることは,潜在歯科衛生士の再就職を促すうえで重要であることが示唆された.以上より,岩手県内の潜在歯科衛生士の再就職支援として,「出産・育児」に焦点を絞った人材確保対策や職場環境整備が効果的であると考えられる.

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© 2019 一般社団法人 口腔衛生学会
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