口腔衛生学会雑誌
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報告
中小零細製造業が多い業界団体を対象にした歯科医師による特殊健康診断に関する実態調査
米永 崇利安田 恵理子米永 哲朗東 哲司岩井 浩明笹井 保之多畑 昂一郎友藤 孝明
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2026 年 76 巻 1 号 p. 55-60

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抄録

 労働安全衛生法第66条第3項および労働安全衛生規則第48条に基づき,有害業務に従事する労働者には,雇入れや配置替え時,さらにその後6か月以内ごとに1回,定期的に歯科健康診断を行うことが義務付けられている.このように,歯科医師による特殊健康診断の実施は法的に定められているものの,その実施状況に関する報告は限られている.そこで本研究では,中小零細製造業の多い業界団体の協力を得て,事業場を対象に歯科医師による特殊健康診断の実施状況をアンケートで調査した.調査期間は2024年10月16日~11月22日,回答はGoogleフォームまたはFAXで受け付けた.その結果,170事業場中44事業場 (25.9%) から回答を得た.「歯科医師による特殊健康診断を実施しているか」 の質問に 「はい」 と答えた割合は,従業員50人以上の事業場で83.3%だったのに対し,50人未満では28.0%に留まった.また,従業員50人未満の事業場で実施していない理由としては,「依頼先がわからない」「歯科以外の特殊健診の対応で手一杯である」「時間の確保が難しい」 の順に回答が多かった.これらの結果は,小規模事業場において歯科医師による特殊健康診断が十分に普及していないことを示唆している.特に 「依頼先がわからない」 の回答が多かったことから,小規模事業場に対する情報提供体制の構築が必要であると考えられる.

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© 2026 一般社団法人 口腔衛生学会
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