日本臨床外科学会雑誌
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綜説
日本の残胃癌をめぐる今日的な問題
木南 伸一李 相雄
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2024 年 85 巻 4 号 p. 483-493

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抄録

残胃癌は胃切除後の残胃に発生した胃癌を指す総称である.日本の大規模調査の成績を元に,今日の残胃癌の実態と対策を明らかにした.残胃癌は「良性疾患術後の残胃新生癌」「異時性多発胃癌」「残胃再発・再燃」の3つに大別可能である.今日の国内の残胃癌の多くは「異時性多発胃癌」である.幽門側胃切除後の「異時性多発胃癌」の発生率は約2%,噴門側胃切除後では約5%であった.「異時性多発胃癌」の約1/3が胃切除後5年以内に発見され,以後発生率は徐々に低下するものの,術後の内視鏡follow upはずっと継続するのが望ましい.残胃進行癌の切除後予後はStage IIのみ通常型胃癌より若干悪く,術式は残胃全摘および脾門部リンパ節郭清が妥当である.胃分節切除や局所切除などの機能温存根治手術後の「異時性多発胃癌」が今後問題となりうるが,その2/3が内視鏡的粘膜下層剥離術で切除可能であり,「異時性多発胃癌」発生の懸念から機能温存手術を忌避する必要はない.

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