口腔衛生学会雑誌
Online ISSN : 2189-7379
Print ISSN : 0023-2831
ISSN-L : 0023-2831
歯垢の生成とその拡大過程に関する臨床的研究
第3報ヒトにおける実験的研究
小原 正紀和田 誠村上 道雄加文字 幸雄多島 仁山田 茂
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 29 巻 2 号 p. 103-111

詳細
抄録

日本大学歯学部学生12名を対象とし上下顎前歯を十分清掃した後, 48時間不刷掃状態におき, その間6回歯垢の生成とその拡大状態を調査した。清掃後初めて歯垢を認めた時間は個人差が多く, 4時間後21~33%の歯に歯垢を認めたが, 48時間後に歯垢を認めたものは4~10%あった。清掃後初めて歯垢を認めた時間の歯牙別, 唇舌別の平均値は上顎側切歯の唇側が最も早く13~16時間, ついで下顎側切歯の舌側が15~17時間であった。上顎中切歯の舌側は24時間で最も遅かった。上下顎別にみると, 唇側では差が少なかったが, 舌側では下顎が早い傾向が認められた。歯垢の拡大状態は刷掃不良の場合といくぶん違い, 歯垢の拡大延長した先端が丸みを帯びたものが多かった。

著者関連情報
© 有限責任中間法人日本口腔衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top