口腔衛生学会雑誌
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歯磨剤による牛歯に対するポリッシング効果に関する研究
第2報ポリッシング効果の測定に関する研究
高橋 昭記小沢 利之氏家 高志輿水 正樹浅井 康年
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1982 年 32 巻 1 号 p. 38-50

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抄録
前報で, 過去に報告された反射計装置のもっている欠点を改良した, 新しい光沢測定装置 (VM2D) の性能について報告した。
本報は, VM2Dを使用して, 歯の光沢を測定する際の, 最適な測定条件, そしてまた, 歯磨剤に用いられる研磨剤でエナメル質をブラッシングする時の, ブラッシング条件を各々設定することを目的とした。
その結果, 測定条件については
(1) 60°の入射, 反射角度
(2) 2個の最大値の平均を求めるデータの読み方が最も精度が良いこと, また, ブラッシング条件については
(1) 600回の研磨回数
(2) 800gの歯磨圧 (荷重) が最も精度良く3種の研磨剤間の差を検出できることがわかった。
また更に, エナメル質の表面状態の観察によって, 以下の知見が得られた。
(1) 研磨剤M1は, エナメル質を磨耗するが, 光沢は減少しない。研磨剤M2は, M1と反対の効果があること。
(2) 研磨剤M3は, すぐれたエナメル質光沢向上効果, 即ちポリッシング効果があること。
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